わが子を慈しむように、野菜を慈しむ。
南会津の“おがちゃ”の味
伊南川と寄り添うように走る国道401号線が、ゆったりと膨れるところ。そこに、尾白山、三ツ岩岳、大博多山の伊南三名山に囲まれた伊南エリアの中心地・古町がある。
「創業は伊南村が合併して南会津町になった平成18年。伊南村に昔から伝わる味、郷土料理のような加工品を残していきたい、食べてほしい、と思ったのがはじまりです」。
そう振り返る佐野禮子さんは、『里の蔵』の中心を担う伊南の“おがちゃ(おかあさん)”。
そう振り返る佐野禮子さんは、『里の蔵』の中心を担う伊南の“おがちゃ(おかあさん)”。
ちょろぎも赤かぶもにんにくも、みんな禮子さんが畑の土づくりから精を出し、丁寧に漬け込んだほんものの手づくり漬物だ。そのおいしさの秘密を尋ねれば、「自分の子供に話しかけるみたいに、毎日言葉をかけて育ててるからかな」と明るく笑うばかり。
ご近所さんが集う“お茶飲み”に、『里の蔵』の漬物は大人気。おせちの彩りとして知られるちょろぎも、南会津ではお茶うけやおかずとして日々食卓に上る。梅漬け汁の鮮やかな紅色、さくさくと小気味よい歯ざわり、爽やかな甘酸っぱさ。熱いお茶でほうっと息をつけば、竹刀を背負った子供たちが古町の大いちょうを目指して駆けて行くのが見えた。
里の蔵
住所:福島県南会津郡南会津町古町字居平9-4
TEL:0241-76-2016
アクセス:会津鉄道 田島駅より車で約35分
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